私たちのまわりには、細菌やウイルス、ちり、ほこり、花粉など体にとって好ましくない物質がたくさんあります。それでも、簡単に病気にかからないで健康を維持できているのは、自分自身の中に、薬や病院のようなものを持っているからにほかなりません。 例えば、出血したら体内にある血を止める物質が働いて止血します。一度風疹にかかると、抗体とよばれる物質を作り出し二度とかからなくします。運動で活性酸素が生まれたら、その働きをなくす酵素が活躍します……これらは体内にある薬や病院のおかげです。そして、体内で薬を作ったり、病院を機能させたりして体を守るシステムが“自然治癒”と呼ばれ、医学的には生体防御機構といいます。この機構の中心が免疫です。 最近、問題になっているのは、現代人のこの自然治癒力の低下です。花粉症などのアレルギーが急増しているのも、がんにかかる人が増え続けているのも、自然治癒力の低下が背景にあるといわれています。逆にいえば、自然治癒力を上げ、体内に良質の薬や病院を備えておけば、“病気知らず”で過ごすこともけっして夢ではありません。今年の健康づくりの目標を、自然治癒力アップに定めませんか。加齢とともに自然治癒力はどうしても落ちてきます。特に高齢者の方は、自然治癒力をできるだけ下げないように心がけたいものです。
ケガなどで血が出るのは血管が切れたから。その状態が続くと、そこから細菌が入ってしまいます。血の中に含まれる血小板や血漿中の凝固因子など血を止める物質が働いて止血することで、傷口をふさぎます。
風邪の原因は主にウイルス。これらは主に鼻や口から体内に入り込みますが、鼻やのどの粘膜がそれらを排泄しようと働きます。この第一防衛機構を通り抜けたウイルスには生体防御機構(免疫機構)で対抗。
老化やさまざまな病気を引き起こす活性酸素が体内に発生すると、SODやカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといった酵素が体内に作られ、除去しようと働きます。
花粉症やアトピー性皮膚炎などは、本来自分の体を守るはずの免疫機構が働きすぎて自分の体を傷つけてしまうために起こる病気です。免疫のバランスを整えることでアレルギーが起こりにくくなります。
食中毒を起こす細菌が口の中に入ると、まず抗菌作用の強い唾液の攻撃を受けます。攻撃から免れた細菌は胃へ。ここでは強い酸性の胃酸が待ち構えています。それでも生き残った細菌は腸へ。腸では、腸内細菌が、中毒菌が繁殖するのを抑えます。
私たちの体内では健康な人でも毎日3000個あまりのがん細胞が発生しているといわれます。マクロファージ、好中球、NK細胞、T細胞、B細胞等を中心とした免疫機構が働いてがん細胞を攻撃し、がん細胞が増え続けて発病するのを抑えます。
自然治癒力をきちんと働かせるには、エネルギーの源である食事が大きなポイントです。決まった時間にきちんと3食食べること。特に1日のスタートを体に知らせる朝食は必ずとりましょう。
忙しい朝は、バナナ一本でも 忙しくて朝食をとれないときは、バナナがオススメ。食物繊維や、免疫活性を高めるといわれるメラトニンが豊富に含まれています。
食物繊維は腸内で水分を吸って膨らみ、腸壁を刺激して蠕動運動を促すとともに、老廃物や有害物質を吸着して体外に排泄させます。腸内がきれいになるので善玉菌が増加し、免疫力がアップします。
今の季節は、根菜類を積極的に 冬の代表的野菜である大根やゴボウ、ニンジンなどの根菜は、食物繊維が豊富。しかも概して硬めなのでよく噛まねばならず、唾液の分泌を促進します。
唾液は抗菌作用のあるリゾチームや免疫抗体などを含んでいます。唾液の分泌を促すのが「よく噛む」という行為。唾液腺や口腔の周囲の筋肉を刺激するからです。
噛む階数を増やすなら玄米食 玄米は硬いのでよく噛まないと消化不良になるので、意識してよく噛みましょう。発芽する力のある玄米は、栄養的にも優れています。
激しい運動は免疫細胞のNK細胞の活性を低下させますが、適度な運動はNK細胞を活性化させることがわかっています。
今の季節は、根菜類を積極的に 身体への負担を考えると、ウォーキングや水泳などの有酸素運動がおすすめです。しかも、楽しみながら行えば、β-エンドルフィンというホルモンが脳から分泌され、ますますNK細胞は活性化します。
息を吐くと副交感神経が活発に働き、吸うと交感神経が活発に働きます。これらの自律神経は免疫と深い関係があります。
胸式より腹式呼吸、口より鼻呼吸 お腹の底まで空気を吸い込む腹式呼吸は自律神経のバランスを整えるといわれています。鼻腔(鼻の穴)の大事な仕事は、吸い込んだ空気中のゴミや細菌などを除くこと。呼吸は口ではなく鼻でしましょう。
漫才や落語を聞いた後には、NK細胞が活性化したという報告がいくつも出されています。笑いによってリラックスすると、自律神経が安定することも確認されています。
楽しいことをみつけよう 楽しいことに熱中したり、好きなことに取り組んだときにもNK細胞は活性化します。趣味や楽しみを見つけることは自然治癒力アップに欠かせません。
紅茶の赤色の色素成分であるテアフラビンはポリフェノールの一種で、抗菌作用があるといわれています。豚肉は、免疫グロブリンと呼ばれる免疫抗体の成分であるたんぱく質を多く含みます。
材料(4人分)
豚ロース塊肉…500〜600g
みりん…50ml
紅茶…小さじ5
酒…50ml
しょうゆ…100ml
酢…50ml
蒸し野菜
1.
ナベにたっぷりのお湯を沸かし紅茶を入れる。
2.
豚肉を入れて中央に火が通るまで中火で40分煮る。 そのまま粗熱を取る。(肉の中央を押してみて弾力が無く、固くなっていれば火が中央まで通っている。)
3.
保存容器にしょうゆ、みりん、酢を合わせ、煮た豚肉を漬け、1晩置く。
4.
スライスして、蒸し野菜(野菜を薄切りにして約10分蒸す)をそえる。
免疫細胞の要であるリンパ球(T・B細胞)は、体が冷えると萎縮し、働きが弱ってくるといわれます。ニラやショウガは体を温め、血行を促進します。ニラに含まれる硫化アリルには腸を整える作用もあります。
鳥ひき肉…400g
ショウガ…少々
ネギ…1/2本
塩
ニラ…1束
コショウ
ネギ(5cm分)のみじん切りとおろしたショウガをひき肉とよくまぜ、塩、コショウで味付ける。
ナベに湯を沸かし、沸騰したら(1)を一口大にして入れる。
ニラは4cmに切って加える。
塩、コショウで味を調え、器に盛って、白髪ネギ、ショウガの千切りを飾る。
全身に張り巡らされたリンパ管の中には、リンパ球(T・B細胞)などから成るリンパ液が流れています。リンパ管をマッサージしてリンパ液をスムーズに流れるようにするのがリンパマッサージ。リンパ液のろ過作用をするリンパ節に向かって、リンパ液を押し出すようにしてやさしくマッサージするのが基本です。
首の後ろ側の付け根の両くぼみのところにあります。咽頭炎などのときに腫れます。
鎖骨のくぼみの上あたりにあります。このリンパ節は、全身を巡ったリンパ液が最終的に流れ込むところ。
のどや肺に近いので、ウイルスなどが侵入したときに最初に腫れやすいリンパ節。
腿の付け根の前面に位置するリンパ節。下半身へのリンパ液が流れ込みます。
膝から下のリンパ液はここを通って、腿の付け根のリンパ節へ向かいます。
首の付け根(片手で) なるべく広い面で、多くのリンパ液を流すようにします。
鎖骨(指先で) なるべく広い面で、多くのリンパ液を流すようにします。
腿の付け根(前腕で) ひじ側を使って、反対の手で前腕を手前に引くようにさすります。